「やってみなければわからない理論」と「やってみたら楽しくなるかもしれない理論」

id:idiot817:20031128のコメント欄の議論やid:beko5963:20031201の内容を見て思ったこと.

「何事もやってみなければわからない」のは確かですが,「やってみたら楽しくなるかもしれない」というのはけっこう微妙だと思います.「楽しくならないこともあるよ!」って言う意味でではなくて,「楽しくなってそれでいいの?」っていう意味で.

これは自分が前から思っていることですが,「人があることをやらざるを得なくなった場合,それを楽しいと思わないと辛いから半ば自動的に楽しいと思うようになるだろう」ということが起きると思います.心理学に似たような理論として「認知的不協和理論*1」というのがありますが,この理論を知る前から考えていたことです.

もしそうなってくると,「本人がいいのだからいいじゃないか」という理論はあまり正しくない,という可能性が出てくるのではないか?
人が不当な状況に置かれていても,「自分はこれが楽しいからいいんです」と思っている,ということはありえるから.

でもだからといって他人に介入するのが正しいわけではないので,非常に難しい問題ではあると思います.

でも自分は「やってみなければわからない理論」はけっこう信奉してると思います.「ミイラ取りがミイラにならないように」気をつけながら.

*1:被験者に単純作業をさせて,その後高い報酬を与えるグループとごくわずかの報酬しか与えないグループに分けたところ,報酬の低いグループの方が作業を楽しいと感じたと回答した,という実験がありました.この結果は,「報酬」という作業を行うための合理的理由がなかった場合,楽しいからやったのだ,という風に自分の行動を合理的なものにしようとした,という風に解釈できます.この結果を最大限に拡大解釈すると,低賃金でとてもきつい仕事でも本人の仕事の満足度は非常に高くなるかもしれない,ということが言える!?