東洋経済」2004年3/6号 東洋経済新報社
 

特集「深刻化する若年離職 『辞めるな!若造』」が読みたくて購入.こんな雑誌初めて手にとりました.

中卒の7割,高卒の5割,大卒の3割が入社三年以内に離職している,という「七五三現象」の話からおきまりに始まるのですが,最近は大卒の離職率がさらに上がって36.5%にまで達しており,順調に?4割に近付いているようです.やばいですねー.外食産業とかとんでもなく高いのではないか,と思われます.6割7割いっている会社もあるらしい.

あと新卒はわざと大量採用して使い捨てる会社も多いらしいですからね.

前も書きましたが,保険会社とかだと新入社員の親・親戚に自社の商品契約させたらもう社員はいらないからやめさせる,みたいなことがあるらしい.

小見出し「悪いのは新人か会社か」という言葉に象徴されるように,「社会構造の変化」からの考察が薄くてあまり納得がいかない部分もありました.

記事の中でリクルート社の人間は「一つの仕事にやみくもにしがみつくのはやめたほうがいい」と,特集タイトルとはやや反対のことを言っていて,論旨もある程度納得できたのですが,大手建設会社課長談,の内容とかほんとうにひどい.

壁にぶつかると逃げていくのが今の若者。どうやっても逃げられないという世界で鍛えられたことがない。以前は部活動という組織が補完してきたが、今やクラブはみな仲良しという感じだと聞く。徴兵制があれば少しはましになるかも、という意見にも、ある意味うなずかされる。

今の若者はけしからん、のようなステレオタイプにのって,やめるのは若者が軟弱になったからだと思っている.若者の仕事状況が以前と比べて相当にハードになっている*1という事実には全然気付いていない.こういうタイプの人にはできるだけ近寄りたくないです.


本特集にも若者のきびしい事例はいくつかのっていた.

  • 業務報告は毎晩,地区責任者の上司へ電話とFAXでする決まりだったが、別の支店が報告している間はずっと待たされる。一度、終電に乗れなくなりそうだったのでFAXだけで済ませたら、「あなたの終電時間なんて関係ない」と怒られた。
  • 家に帰れないなんて普通。先輩達は会社の雑巾洗い場で体を洗っている。

そんな状況で「辞めるな!」なんていうのは確実に間違っていると思う.

一方でとんでもなく暇な仕事,というのもやっぱり今でも存在しているようで,この極端なアンバランスはなんとかならないものだろうかと思う.

*1:労働時間などの統計に関しては労働経済白書,[[玄田有史]]先生の本「仕事のなかの曖昧な不安」(2001,中央公論新社)(→amazon)などをぜひ参考に.