日々日報

バンド「みせばや」ギタリスト 百萬石マツリのブログです

年収低い方が「派遣という働き方」に満足? リクルートワークス研究所ワーキングパーソン調査の森」
http://www.works-i.com/special/tyosa-no-mori_6.html

派遣という雇用形態の3/4を占める女性の場合は年収が低い方が雇用形態に満足している.男性の派遣社員の場合はその逆で,年収が高いほど満足度が高い,という結果とのこと.

下のほうにある,未婚,既婚,年収の高低の2軸で各質問項目がどのように違うかを示したグラフは面白い.

以下は自分が思ったこと.

仕事を評価するのには,「やりがいがある,自分の専門性を生かせる」といったような「仕事内容要素」と,企業のブランド,職場の環境,福利厚生,休みや時間などに自由がきくかどうか,といったような「仕事環境要素」,雇用が安定しているかどうか,という「雇用安定要素」,そして諸刃の剣であると思われる「責任ある仕事をまかせてもらえるか」という「仕事責任要素」のように大きくわけられるかなあと思った.

そして,未婚者と既婚者では顕著に違いがある.

  • 仕事環境要素は未婚者で高い傾向にある.時間の自由などは未婚既婚関係なく重視されていると思われるが,未婚者は「企業ブランド」や「職場の美しさ,快適さ」などを重視する傾向が強い.
  • 仕事責任要素が未婚者で極めて低いのが興味深いと思う.思うに「責任ある仕事を任せられる」ということは,仕事の必要に応じて,自分の都合よりも仕事の都合を優先して(サービス)残業,本来休みにしておきたかった日の出勤,仕事の持ち帰り,などを行わなければいけなくなるわけ*1で,未婚の派遣労働者はそれを非常に嫌っていることが見て取れる.
  • 「仕事内容要素」は誰でもそれなりに高い,これはまあそうだろうと思います.


思うに,未婚者と既婚者でのこのような違いは,派遣に限った話ではなくて女性一般に見られる傾向なのではないだろうか,と思った.
また,記事でも言われているが,既婚者の場合の「夫の扶養範囲内で働くために時間と年収をあえて少なく抑える」という行動も見られるようです.

この内容を受けて自分の意見を何か言うのはまだちょっと難しいのですが,いろいろと考える必要がある.

記事のまとめが,

このように派遣社員という雇用形態で働く女性も、ライフステージに応じて仕事に求めるものは多様だ。「派遣社員はだいたいこんなもの」と思い込み、それに基づいて画一的なマネジメントをしてはいないだろうか。再点検してみる必要があるだろう。

となっているのですが,これも少しどうなんだろうと思ってしまいますが,でもどうしてそう思うのかはちょっとよくわからない.「既婚の女性派遣労働者は夫の働きを助けているだけだから,雑用をやってもらって時間になったら早く帰してあげればいいし,給与も扶養範囲内の低いものでいいんだ」という考えにつながりかねないからかなあ.しかしその考え方はいけないのだろうか?と問われるとリベラリズムの問題になってくる,のだろうか?うーん.それも少し違うような気がする.

欧米型の職務分掌が日本でももう少し行われればいろいろな問題が解決するのだと思うけれどそれは容易にできることではないから,いろいろ問題になるんじゃないか,というのが思うことです.


*1:そのような傾向はおそらく日本的な働き方の特徴で,欧米ではごく一部のエリートを除いてみられないことであると思われる.