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労働問題

今夜21時からNHKスペシャルで「フリーター漂流 〜モノ作りの現場で〜」というのがあるとのことです.
卒論発表会も終わったので,見てみようかと思います.
http://www.nhk.or.jp/special/schedule.html

番組の舞台は、栃木県にある通信機器メーカー。携帯電話の増産のために、急きょ労働力が必要になった。北海道や九州などから集められたのは、20代から30代半ばのフリーターたちだ。仕事に耐えきれずに工場を去る者。より良い待遇を求めて全国を転々とする者。さらに、フリーターから正社員への昇格を目指す者など、一人一人の価値観は様々だ。

フリーターが地域的な移動を,しかも全国規模で,しているということは全く知らなかった.典型的な外部労働市場においては地域はかなり狭く固定されていて,だから電車で30分移動するだけで時給が200円近く違ったりするのだと説明されていましたが,それは家事負担を負っているがために家から遠く離れられない既婚女性の話だったということになるのでしょうか.

見てみました.
なぜ全国規模で移動するのかと思ったら,全面的に業務請負の現場の話だった.以前AERAに載った「派遣社員は奴隷なのか」*1と近い.

っていうか制服のロゴがしっかり写ってて,日研総業http://www.nikken-sogyo.co.jp/top.phpであることがわかってしまっていましたね.アジアンカンフージェネレーションのCMも流れていたし.

業務請負の会社のCMにアジカンが使われてたり,スーツ姿の若い社員が35歳の人にものすごくにこやかに次の工場の説明をしてるのが,たいへん苦しい気持ちになります.

しかし,番組に写っていた範囲での仕事の様子は,そこまで劇的にキビシイものではなかった印象がある.これは注意深く書かなければいけないけれど.例えばAERAの記事では昼夜2交代制が問題視されていましたが,今回の仕事は基本的には朝始まって夜終わり,休日も曜日で決まっていたよう.
問題点はやはり,仕事が頻繁な生産調整によってどんどん変わり,確とした技能の向上につながっていかないこと,リーダー的な仕事,工場とのつなぎ役のような追加的な職務を行っていても他の人と全く同じ待遇であること,などだと思います.しかし番組に出ていたリーダー級の男性は,請負会社をやめて工場と直接交渉してアルバイトとして直接雇用してもらっていて,やはり自分で動いていける”強い”人はなんとか道を切り開いて行けるのかなあ,という,かすかな希望は持てました.しかし「強い人だけが生き残ればいい」というのは明らかに誤っているので,もう少し希望がもてる仕組みにできないものかと思います.

考えがまとまらないですが,「正社員と非正社員の格差」という言葉ではうまく捉えられないかなという感じがします.非正社員も時給900円で生きていこうと思ったらかなり長時間働かなければいけないし,今若者が正社員になってもサービス残業があるから実際の時間あたりの給料はそこまで高くないだろうし.賃金的にも労働時間的にも意外に格差とは言いにくい.正社員だからといって,将来の技能の発展,キャリアパスのようなものが見えるかと言うと,最近は特に必ずしもそうとは言えないと思われる.しかもフリーターも全国移動するとなると,転勤する大企業の総合職とその点でもかぶる.まあ最後のは半ば冗談ですが.正社員もフリーターもお互いにとても苦しいな,と思います.

「世代間の格差が家庭内で再分配されてどうにか成り立っている」,という印象があります.

収入が低いフリーターが,親の収入や持ち家で生活しているんですが,その親の世代(の男性)に一家を養うだけの給料,雇用を保障しているが故に,若年の新規採用が抑制されているという循環が生じているのではないかと.これもうみんな指摘してそうですね.話がずれてきているのでこのあたりでやめておきます.

*1:http://d.hatena.ne.jp/idiot817/20040216#p1