企業中心社会を超えて / 大沢真理 (1993)

たいへん有名な本ですが絶版になっていることもあり未だ読んでいませんでした.

成人の生活時間の総計を見ると,収入を伴う労働には57%,家事育児などの収入を伴わない労働には28%の時間が費やされている.ここで,収入を伴う労働の65%は男性,35%は女性が行っているのに対し,家事育児の93%は女性が行っている.しかし,女性の収入は男性の6割以下であるので,女性は社会の労働の半分以上を行いながら,収入は時間あたり男性の1/5程度しかえていないことになる

もう言い古されたことかもしれませんがこれはやはり非常に重要な指摘だと思います.

読書メモ
・「企業中心社会」の基軸にあるものとして「ジェンダー関係」を重視する.
・80年代の「日本型福祉社会」政策が「企業中心社会」の総仕上げとなった.
・時期区分としての石油危機.
・石油危機以前の高度経済成長期には,「春闘」として制度化された安定的な紛争により,「福祉・生活重視」の機運が盛り上がっていた.反公害,反ベトナム運動などの世論もあり,反企業の傾向が強かった.
・しかし,石油危機による不況で「福祉・生活重視」の世論は「賃上げ自粛」「我慢」「日本的経営の賞賛」の方向に転換する.労働条件は低下したにも関わらず,離職率は減少した.
・60年代後半?70年代初頭くらいまでは大企業においても終身雇用制はそこまで確立しておらず,大企業であってもたとえば高卒者の3年以内離職率は50%程度であった.(←現在の状況に近い数字じゃないか)